小学生の不登校原因とは?親ができる対応まとめ

こんな方におすすめ

  • 小学生の子どもが不登校になって対応に困っている
  • 不登校の原因が分からず不安に思っている
  • 子どもの不登校に焦りを感じている

近年、小学生から不登校となる子どもが増えています。

そこで、子どもの不登校や行き渋りに不安を感じている保護者の方にむけて、
小学生の不登校の原因と保護者の方に求められる対応についてまとめてみました。

不登校の小学生の現状

「不登校になる子どもが増えている」ということについて、
実際の調査をもとに現状を見てみましょう。

そもそも不登校とは?

文部科学省が定義する「不登校」は、以下の通りです。

「不登児校童生徒」とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義しています。

文部科学省 不登校の現状に関する認識

まとめると、以下3点が成り立っていると、不登校と認識されます。

  • 年間欠席が30日以上ある
  • 断続的・継続的な欠席をしている
  • 欠席理由が怪我や入院、経済的理由ではない

連続で30日ではなく、最初に休み始めた日から数えるため、
学校に行ける日があったとしても欠席が30日以上ある場合は不登校と定義されます。

不登校児童生徒数の推移

文部科学省の資料によると、
令和4年度(2022年)では小学生の59人に1人は不登校だと言われています。

例えば1クラス35人、1学年4クラスの計140人だとします。
2012年では0.43人とほとんどいなかったにも関わらず、
2022年では2.38人という計算になります。

平成24年(2012年)あたりから増加を始めていますが、
とくに令和2年頃からは顕著に増加していることが分かります。

2011年には東日本大震災の影響でLINEが広まったり、
2012年にはHIKAKINさんやはじめしゃちょーさんなどのYouTuberや
ボーカロイドの流行によりYouTubeがより身近になっていきました。

自分専用のデジタルデバイスを手にする子が増えてきたことも
注目すべき点ではないでしょうか。

学年別調査によると、
全体的に中学生のほうが高くなっているものの、
小学生では学年が上がるにつれて
不登校児童の生徒数は多くなっています。

しかし注意すべきは、これらの情報は
上記でも記載した「不登校」だと定義された子のデータであるということ。

つまり、遅刻でも登校できていたり、
別室登校ができている子は含まれていません

よって、不登校予備軍の子どもたちは
さらに多い割合になると考えられます。

学年別不登校の原因

上記のグラフを見る限り、小学1年生からすでに不登校となる子もいることが分かります。

しかし、小学1年生の不登校と小学6年生の不登校では原因や対応方法が異なる場合があります。

そこで、学年別のよくある原因について考えていきましょう。

1・2年生(低学年)

低学年では、親と離れることに不安を感じることによって
離れることができない「分離不安」
不登校の原因になっていることが多々あります。

分離不安が強いと、
親から離れることで精神的に不安定になります。

また、これまでと異なる新しい環境に
慣れることが難しかったり、
決められた時間じっと座り続けることに
困難を感じる子どももいます。

3・4年生(中学年)

中学年になると分離不安での不登校は減ってきます。

一方で、人間関係で登校に不安を感じる子が増える時期です。

学校生活にも慣れ、早い学校だと
部活やクラブ活動・委員会などが始まるところもあります。

そのなかで自分の想いを
うまく伝えられず我慢することが増えたり、
仲間にうまく溶け込めなかったりすることで
学校に行きたくない気持ちが出てくることがあります。

5・6年生(高学年)

高学年になると、思春期に入っていきます。
身体面でも精神面でも大人に近づいていくこの時期。
思春期特有の心の動きが
不登校につながるケースが多く見られます。

他者との関わりを通して、
「自分」について理解を深めていく時期でもあります。

そこで、他者と自分との違いを把握し、
自己理解を深めていく一方で、
他者と違う自分を知ることで
他者の反応に恐怖を感じることが多くなります。

「相手に嫌われているのではないか」
「自分はどう思われているのか」
を強く感じることで、
学校に行くことを不安に感じることがあります。

小学生によくある不登校の原因

いじめ

無視や暴言などの気付けるいじめのみならず、
SNSの発達によりいじめが見えにくくなっているのが現状です。

そのときの心身が傷つくだけでなく、
PTSDを発症するきっかけにもなりうる原因です。

発達障害

注意散漫や多動が目立つADHD(注意欠陥多動性障害)や、
読み書きや聞くこと・話すことに困難を感じるLD(学習障害)も
不登校の原因になりえます。

他者との関係をうまく築けなかったり、
勉強に大きな壁を感じている場合もあります。

生活リズムの乱れ

夜遅くまでスマホやゲームをしていて
睡眠に影響が出ていたり、
学校に不安なことがあって
考えすぎて眠れなかったりすることで
朝起きられずに学校が苦痛になることもあります。

また、午前中に調子が悪い場合は
起立性調節障害の可能性も考える必要があるでしょう。

生活環境の変化

担当や担任の先生が変わったり、
クラスが変わったりなどの学校での変化や、
仲良しの友達の転校による友達関係の変化、
両親の離婚・再婚など家族構成の変化など、
生活環境の変化によりストレスを感じて、
学校に行くエネルギーが減少することもあります。

学校に行くためのエネルギーが
しっかりチャージできる環境かは大事なポイントです。

小学生の不登校と学校環境

続いて、小学生が不登校となってしまう学校環境について焦点を絞って見てみましょう。

学校での人間関係

学校では1クラス40人以下の生徒が集います。

令和7年までに35人学級を実現するよう文部科学省から通達されていますが、それでもやはり大人数ですよね。

そのなかで1日過ごすと、人間関係が大きく影響します。

また、教室のルールや校則が窮屈に感じることもあると思います。

勉強に対するストレス

保育園・幼稚園とは異なり、1日のなかで学習に費やす時間が多くなることで、
勉強がストレスと感じる子も出てきます。

さらには宿題が出ることで、家でも勉強をしなければならないことや
宿題ができなかったら叱られることへのプレッシャーを強く感じる子もいるでしょう。

不登校問題に対する取り組み

学校としても不登校問題に対して数々の取り組みがあることもご紹介します。

教室以外で通える場所づくり

教育委員会により、適応指導教室(教育支援センター・教育センターなどともいう)が設置されています。

学校の中にある場合もあれば、学校外にある場合もありますが、
そこに出席することで学校に出席したとカウントされます。

基本的には無料で通えますが、
申し込みは学校経由のみなど条件があるところもあるため、
まずはお住まいの教育委員会や通っている学校に
お問い合わせすることをおすすめします。

教育相談体制づくり

教師やスクールカウンセラーなどに、日々の悩みや不安を相談できる場所です。

児童・生徒自身が相談できることに加え、
保護者の方による相談が可能な場合もあります。

また、学校内のみならず、
社会福祉協議会や地域の不登校親の会などもあるので、
活動団体について調べてみるのもよいでしょう。

不登校の小学生のために親ができる対応

休んでもいいと伝える

休むことに罪悪感を持つ子どもも多いです。

もし子どもの心を優先するならば、
休んでもいいと伝えることは
子どもにとって大きな安心感につながります。

頑張りを認める

学校に行けなくなってしまったことを責めるのではなく、
ここまで頑張ったことを褒めてあげてください。

とくに不登校初期は
子どもも不安定なことが多く、
自分で自分のことを責めてしまうケースも多いです。

だからこそ、信頼できる保護者の方から
頑張ったことを褒めてもらえると
少しでも不安で固まった子どもの心が
和らぐきっかけになるでしょう。

子どもの話を聴く

とくに不登校初期は、子ども自身も
自分の気持ちをうまく言語化できていないことが多いです。

しかし、感じているモヤモヤはあることが多いです。

そのため、うまく言葉にできなくても、
ポロポロと出てくる言葉を焦らせずに聴いてあげると
子どもは安心します。

また、無理に聞き出そうとはしなくて大丈夫です。

まずは落ち着ける環境づくりをしていきましょう。

学校と連絡を取る

学校に行けないことを心配しているのは、
先生も同じです。

子どもがどんな状態か、
どのようなサポートが望ましいか、
いっしょに考えられるとよいです。

例えば、家庭訪問や電話の頻度、
欠席時・登校時の連絡など、
子どもも保護者の方も無理なく
過ごせるように
想いを伝えていきましょう。

学校以外の居場所を探す

はてなーるでは、
必ずしも学校に戻らないといけないとは思っていません。

学校以外でも、上記で紹介した適応指導教室や
フリースクールなど、多様な選択肢があります。

子どもに合った場所を探すことは
情報過多の現代では大変なことですが、
学校以外にも居場所があることを知ってほしいです。

まとめ

今回は、子どもの不登校や行き渋りに不安を感じている保護者の方にむけて、
小学生の不登校の原因と保護者の方に求められる対応についてまとめてみました。

不登校の小学生は急増しています。
原因はさまざまですが、必要に応じて医療機関等を検討しましょう。

子どもが学校に行かなくなると
焦りを感じると思いますが、
まずは保護者自身が落ち着いて、
子どもを安心させられる環境を整備していくことが大切です。


また、はてなーるでは第3の居場所として個別伴走塾・サードプレイスを運営しています。

子どものみならず、
保護者の方の不安や焦りを受け止める場でもあるので、
少しでも気になることがあれば、
お気軽にお問い合わせください!

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